子供と老後のために投資信託をしよう

主に投資信託による資産形成の日々をつづるブログ。その他、我が家の家計全般についての管理簿としてお金のアレコレを気が向くままにまとめていきます

持ち株会のメリット・デメリット

私は特に深い考えもなく、会社が進めるので入社時から持ち株会に加入していました。

しかし投資の勉強を始めるにつれて本当に持ち株会って良いの?と思うことが増えてきたので自分なりの整理をしました。

 

前置きが長いのですが、持ち株会をやるくらいならその資金を投資信託に回すべきでは?という私の疑問に基づいています。

 

 持ち株会のメリット

  • 会社から奨励金が出る
  • 配当金を再投資できる
  • E-Ship制度により臨時ボーナスが出る

 

持ち株会のデメリット

  • 分散投資ができない
  • 給与の払い元と投資対象が一緒になる

 

強制貯蓄の観点や売買単位のお話とかありますが、私が気になるのは上記でした。

各々についてざっくり述べていきます。

 

会社から奨励金が出る(メリット)

持ち株会に加入する一番の理由はこれだと思います。

私の会社だと拠出額に対して10%の奨励金が出ます。

 

ただしこの10%というのが曲者で、年利ではなく単利に近いことに気をつけなければなりません。

※毎月の積立額に対しての10%であり、総資産額に対しての10%ではない。

 

配当金を再投資できる(メリット)

通常、配当金をもらっても株の売買単位が決まっているため、配当金をそのまま再投資することはできません。

そのため株を保持していても複利の効果を受けられず、投資に対して最大限の利益を得ることができません。

※資本金が多ければ上記の限りではないのかもしれませんが、私のようなコツコツ小額投資する人にとっては正しいかなと思います。

 

しかし持ち株会の場合は、配当金をそのまま再投資することができるため、配当金による複利の効果が期待できます。

 

E-Ship制度により臨時ボーナスが出る(メリット)

これは多数派ではないと思いますが補足情報として。

 

E-Shipとは野村證券野村信託銀行が提供するサービスです。

 

ざっくり書くと、制度適用期間中の株価上昇に応じて分配金が出る制度です。

制度適用終了時、開始時から換算して口数が増えた会員に対して分配金が出るので売却をせずに積み立て続ける必要があります。

 

万が一、株価が下落した場合の損益は会社が負担するので従業員はメリットのみを享受することができます。

 

以下の記事が分かりやすかったので詳細はこちらで。

野村証券のE-ship制度のメリット・デメリットまとめ - Dartmania Cafe

 

 

分散投資ができない(デメリット)

給与の払い元と投資対象が一緒になる(デメリット)

言いたいことは同じなので2つ合わせて記載します。

 

持ち株会は自社株だけをただただ買い足すもので、当たり前ですが自社の利益が落ちれば株価も値下がりします。 

また万が一自社の経営が悪化した場合は、給与・賞与も下がり、今まで形成した資産(持ち株)の価値も下がり、かなり悲惨な状況となります。

 

これらはリスクを増やすだけの行為であり、そのリスクに見合うリターンがあるのかを考える必要があります。

メリットについて重点的に記載してしまいましたが、このデメリットが大きすぎるので持ち株会はやるにしても慎重にならねば、というのが率直な感想です。

 

 

投資信託との比較

では持ち株会のメリットによるリターンが投資信託、特にインデックス型のリターンを超えることができるのか、簡単に考えてみます。

 

毎月積立4万円を30年行った場合。(現在私が積み立てている額で算出)

・持ち株会:配当金2%、奨励金10%

投資信託:年利3%

※あまり意味ないですが、利益分に税率20%かけています。

 

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グラフだと分かりにくいですが、運用22年で奨励金10%のアドバンテージは無くなり、逆転していきます。

 

上記は自社の株価が全く変わらない(企業として全く成長しない)という極端な前提としているのでイマイチな比較ではありますが、結局何が言いたいかというと、市場より1%でも成績が落ちると長期投資においては奨励金の優位性が無くなる、ということです。

 

今回の前提だと最終的な成績は比較用の投資信託が80万円ほど勝ったのですが、自社株が最終的に6%値上がりした場合、キャピタルゲインの利益で十分ペイできます。

 

さらにE-Shipを導入している企業であれば株価が順調に上がった年は追加資金をGETできるので、リターンはさらに上がります。

 

私個人の事例ですが、期間中、自社株がかなり上がり、3年程度で投資額100万に対して50万ほどのE-Ship分配金が出ました。(手取りはもっと少ないですが)

 

まとめ

・退職するまで自社が市場と共に順調に成長するのであれば、持ち株会は非常に美味しい投資となり得る。

・ただし持ち株会の一番のメリットである奨励金は、自社が市場より1%でも成績が下回る場合はインデックス型投資信託に負けてしまう程度のものである。※1

・自社の経営が悪化した時のリスクが大きすぎるため持ち株会だけの投資は非常に危険。

・でもE-Shipのうま味は忘れられない(笑)

 

当面の方針

・持ち株会は長期投資に向かなそうなので、定期的に現金化する。

・現金化したものは子供の学費に充てて、極力投資信託は切り崩さない運用を目指す。

・奨励金、E-Shipにて短期的な利益は極力享受できるよう努め、深追いはしない。

 

上記のとおり、持ち株会はハイリスク・ハイリターン商品だと思いますので各々の責任において適切に運用ください。

 

※1

ここの記述が妥当な内容か、ちょっと自信ないです。見当違いな内容であれば指摘ください。

単一株と投資信託を比較するのがそもそもナンセンスな気もします。